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サポートニュース
2023.05.19
「親の介護をするということ」
先日、前の職場で一緒だった方とお会いする機会がありました。お母様が徐々に認知症が進んできていて、家の中でもたびたび転倒されるためなかなか目が離せない…とのことでした。

厚生労働省によると、認知症に罹患されている方は2019年の時点で460万人。そして、60歳以上の高齢者における認知症の有病率は約15%程度です。そのような中で介護保険が2000年から始まり、自治体が地域包括ケアシステムの推進に重要な役割を担うことを意図されて施行されています。地域包括ケアシステムは、要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい生活を最後まで続けられるように地域で助け合うシステムのことです。

地域で要介護者を見守り支えていくというこのシステムですが、裏を返せば行政の負担を減らし、要介護者の家族をメインに介護を展開していくというものになります。現在、日本では2019年度の要介護(支援)認定者数が667万人いるのに対し、介護職員数は210万6000人。そして、その多くが病院・介護施設などで働いています。

現時点で職業として働かれている介護士さんが不足しています。これに今後の高齢化や在宅で療養されている認知症要介護者の増加、その他疾患で要介護状態になられる方の事を考えると、現状の介護士だけでは全く人手が足りず、家族が介護する必要が出てくると考えられます。

上記の話は介護施設の話になりますが、在宅(自宅)介護はひとえに介護といってもその大変さはすさまじいです。「朝起きる」「着替える」「歯を磨く」「ご飯を食べる」等々、日常生活のすべてにかかわってきます。気を配らないといけないことも多いですし、すべきことも多いです。自分の時間もほとんどとれません。さらに無給です。

これが在宅介護です。今60歳代〜70歳代の方々では、10年後に介護を必要とする方が確実に増加するでしょう。それをその層より少ない現役層でカバーするのが、今後の日本の介護現場になります。このような介護の負担は家族の健康を損なったり、それによって家族が外での仕事ができなるケースやメンタルヘルスのカバーが必要になるケースなども実際に存在します。

在宅介護このように介護の負担は決して甘く見れるものではなく、今後の現役層にとってかなり重要な考え事になってくると私は考えています。

弊社にご相談いただく方の中でも、やはり現役層の方は多いです。それらの方々も含め、社会全体の負担軽減の一助となれば幸いですね。今後とも弊社をよろしくお願いいたします。
森下
2023.05.11
「5類移行」
2019年12月初旬ごろから始まったコロナパンデミックも、やっと収束してきました。3年以上にわたってコロナに振り回され、感染された方や医療従事者の方々に於かれましては言葉では表現できないほど大変な日々を過ごされてきたことでしょう。

弊社としましても、コロナに感染された方への対応や相談などでてんてこ舞いでした。比較的軽症の方がメインではありましたが、重症の方は呼吸器を使用されていたり呼吸のしづらさが強かったりと、コロナ感染の悲惨さを体験する形となりました。その中でも、医療に従事する会社として何とか役割を果たせたかなと感じております。

また、今後は5類感染症としてコロナウィルスを扱うとのことですが、調べてみると5類感染症とは以下のような感染症が含まれるようです。

  • インフルエンザ
  • ウィルス性肝炎
  • 後天性免疫不全症候群(エイズ)
  • 梅毒
  • 麻疹
  • 侵襲性髄膜炎菌感染症
感染症対策などなど…そうそうたる感染症の名前が挙がっています。今後も油断できない感染症であることが皆様にも伝わればと感じます。

私たちも基本の手洗いやうがい、対応時のマスクなどこれまで通りの感染対策を取ってまいります。今後ともよろしくお願いいたします。
森下
2023.05.08
「5月」
気が付けば5月も始まり、ゴールデンウィークも終わってしまいました。年々あっという間に時間が過ぎて行って、気が付けばあとひと月で1年も折り返しです。「光陰矢の如し」とは昔の方もうまいこと言うと思いましたが、今ですと矢ではなく銃弾やレーザーでしょうか?

さて…表題の5月ですが、弊社のある名古屋に限って言えば、晴れやら雨やら天気は変わりながら過ぎていくようです。しかし、気温はどんどん上がってきて、月の後半には28℃になる日もあるようです。ちなみに28℃という気温は1980年代の8月の平均気温とほぼ同じ…暑いですね。

暑くなってくると職業柄、脱水や熱中症に気がいきます。汗をかく分水分補給や暑すぎる環境を避けるなど気を付けなければなりません。また、在宅療養中の方は室温が高くなりすぎないよう注意したり、経管栄養をされている方は水分量を増やしたりと配慮が必要です。窓側にいらっしゃる方はカーテンなどで直射日光を避ける必要もあります。

ここから9〜10月までの約半年間、暑さ対策は必須になりそうです。介護されている方も、無理しすぎずお過ごしくださいますようお願い申し上げます。
森下
2023.04.26
「入浴介助」
病院や施設などで働くと、「入浴介助」という業務があります。読んで字のごとくなのですが、これがなかなか大変です。自身でシャワーやお風呂に入ることのできない患者様、又は利用者様に対して、病院や施設にあるお風呂や機械浴(これはストレッチャーや椅子に座ったまま入ることのできるお風呂です)にスタッフの介助で入っていただき、きれいになってもらう業務です。

ただ…入っていただくだけでなく、入浴している当人の「全身状態の観察」「入浴前後の着替え」「皮膚の創傷や乾燥があれば処置や軟膏の塗布」「入浴している間に部屋のベッドシーツの交換」「掃除」などやることはたくさんあり、夏場には汗だくになること間違いなしの業務です。

そんな入浴介助ですが、どうしても事故が起きることがあります。数日前ですが、鳥取県の老人ホームで「入浴準備でストレッチャーに乗っていた寝たきりの女性が、数秒間目を離した間に床で倒れているのが見つかり、その後死亡する」という事故が発生しました。

「ほんの数秒間、背を向けた」老人ホームで入浴準備中、ストレッチャーに乗っていた女性 気が付くと床に倒れていて…翌日死亡(山陰放送)

入浴準備で乗っていたストレッチャーは、おそらく機械浴のストレッチャーかもしれません。これはスチール製のフレームにゴム、又は発泡ポリスチレンで体に当たる面を保護している場合が多いので結構滑りやすいです。また、70cmの高さであったことから、この後すぐに入浴介助にあたる予定だったのでしょう。

普段は歩いたり起き上がったりするのは困難であったと書いてあることから、あまり動きのない方だったかもしれません。それでも体をごそごそと動かすことができたためか、ストレッチャーからの転落につながったと考えられます。こちらの施設も普段は安全管理を徹底していて、今回だけこのような状況になってしまったかもしれません。しかし、スタッフが二人いても防げなかったというのは事実です。

私たちはこれらのニュースを聞くと、なぜこのような事故が起こったのか原因や経過を推測し、どうすれば防げたかを考えます。「人員が足りなかったのか?」「介助方法がいけなかったのか?」「次の業務の時間が迫っており余裕がなかったのか?」…いずれにしても起こしてはいけない事故です。そして、自身で介助する時に同じことを絶対に起こさないよう、心に留めておく必要があります。

弊社のプライベート看護サービス(自費訪問看護)でも、入浴介助を希望される方がいらっしゃいます。その際は「どこで」「どうやって」「何を使って」「どれくらいの時間の長さで」入るのかなど、本人のご希望やご家族のご要望にお応えすることが可能です。事故を起こさないよう細心の注意と気配りをもってあたらせていただいています。

これは独り言ですが…入浴介助は、やはりゆっくりと入られる方の希望に沿って、時間の余裕を持ったやり方が一番かと思います。お風呂は気持ちいいですからね。
森下
2023.04.24
「プライベート看護サービス・自費訪問看護」
弊社は自費の訪問看護とオンライン在宅相談をメインとした会社です。介護保険や医療保険を使う訪問看護に比べ料金は高くなりがちですが、その分保険の枠組みに左右されない自由な訪問が可能となり、オーダーメイドでご利用者様専用の訪問内容にすることができます。

弊社でご利用いただいている方は様々な環境・状態のご利用者様がいらっしゃいますが、多くの方は自力で生活することが難しく、日常生活に支援を必要とされています。例えば「自身で呼吸ができない」「自身で食事をとることができない」「自身でベッドから起きることができない」などなど…。そのような方々に看護・介護の面から支援させていただいています。

気切カニューレ中でも自身で呼吸ができない状態は命に直結する場面ですから、より注意や観察をする必要があります。例えば気切カニューレ(首に穴をあけてカニューレと呼ばれる器具を気管に挿入する呼吸方法)では、どうしても管理の方法に悩まされます。

カニューレを挿入すると喀痰の量が増加しますので、挿入部周囲の皮膚トラブルや出血・皮下気腫の有無の観察など、注意点や観察項目が多く出てきます。それらをよく見ながら、他のことも同時に行う必要がある場面もあるため気が抜けません。

そのような状況の方でも、ご本人・ご家族の望むように最適な看護・介護を提供できるのが自費訪問看護(プライベート看護サービス)です。「1日だけの利用」や「この日がいい」「毎週〇曜日に」などといったご要望に臨機応変に対応し、気管切開や胃瘻、人工肛門などの処置が必要な場合でも対応が可能です。ご本人様・ご家族様のご要望に沿ったオーダーメイドの看護サービスを提供することができますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
森下
2023.04.19
「エコな視点」
「エコ」とは本来英語の「ecology(エコロジー)」の略称ですが、昨今では「環境に気を配っていること」や「地球環境にやさしいこと」などの意味に広がっている言葉です。私も人間として地球上に生きているため、「これ以上環境を汚してはいけない」ということは十分理解しているつもりです。

最近では、以前に比べプラスチック製品が姿を消したり変化したりしているように思います。たとえばコンビニでは、当たり前のようについてきたプラスチック製のスプーンやフォークを使わない方向にもっていこうと、プラスチック資源循環促進法の関係で2022年4月からカトラリーに使用するプラスチック量を減量し軽量化されていたり、木製のスプーンやストローが紙製になったりと脱プラスチックの方向性がとられています。

ペットボトルも従来に比べ薄型になっており、原材料(樹脂)の使用量を削減して環境負荷を最小限に抑えています。そのためリサイクルの際につぶしやすく、まとめて捨てる際にもかさばらないという利点があります。ただ…私個人としては、このエコの中でもペットボトルを薄くすることに関してはどうにかならないものかと感じています。

理由は「低圧持続吸引機」です。この低圧持続吸引機は、気管切開をされカニューレと呼ばれる管が首から入っている方や、ALSなどの神経難病で口が閉じられなくなり唾液が絶えず流れてしまう方に用いられる器具で、弊社の自費訪問看護でもたびたび見かけます。

この器具は口や気切カニューレにつないだチューブから吸引圧を低圧でかけ続けるもので、口の中や気切カニューレにたまった唾液や喀痰を回収し続けてくれるすぐれものです。持続的に唾液や喀痰を吸ってくれるのでとても助かるのですが、吸った唾液や喀痰をチューブと機械の間につないだペットボトルにためておく構造になっています。

低圧持続吸引機察しのいい方はすでにお分かりかもしれませんが、前述した柔らかく環境に配慮したペットボトルに吸引圧をかけ続けるとつぶれてしまうのです。こちらの写真のような状態になります。

そうなっては指定した吸引圧が適切にかからなくなってきてしまい、うまく唾液や喀痰が回収できない事態となってきます。

場合によっては機械側に喀痰や唾液が入ってしまうことで故障したり、それらが気切カニューレや口に中にたまることで窒息を招く危険もあります。そのようなことにならないためにも頻繁に観察することが必要になってきます。

さて、ペットボトル一つでまさか人の命も左右しかねない状況が生まれれるのは、正直勘弁願いたいところです。そのため、弊社でそのような状況を発見した場合には、依頼者様に許可を得て従来のような固いペットボトルに替えさせていただいています。そうすることで上記のような事態を予防し、より安全な療養環境を整えると考えているからです。

しかし、最近はどの飲料メーカーのペットボトルも薄くなってきています。お勧めはお茶のペットボトルです。四角いものがいいですね。ただ1週間ほど使用しているとへたってくるため、交換しなくてはなりません。やはり在宅療養は一筋縄ではいきませんね。
森下
2023.04.18
「自費訪問看護」
最近はミニマル青果のことをメインにご紹介させていただいておりましたが、実は本来、弊社は「訪問看護」や「オンラインでの在宅療養相談」がメインの会社です。10年以上、病院や施設、在宅での看護・介護に携わったスタッフが担当させていただき、ご利用者様の望む在宅療養の姿の実現に向けて日々邁進させていただいています。

在宅療養の形は個人個人によって異なり、介護される人・介護する人にもその数分の形が存在します。少し前から問題となっているのが「ヤングケアラー」と呼ばれる存在です。学業や仕事のかたわら、障害や病気のある親や祖父母、年下のきょうだいなどの介護や世話をしている18歳未満の子どもたちのことです。

また最近では、働きながら家族を介護する「ビジネスケアラー」の問題が産経新聞で紹介されていました。ビジネスケアラーは仕事と介護を同時に行うので、労働生産性の低下がどうしても伴います。その経済面の損失が、2030年にはなんと9兆円超に上るとの試算を経済産業省が公表しました。2025年には団塊の世代がすべて75歳以上になり、介護が必要な高齢者の増加を見込まれ、働きながら介護する家族への支援が課題となっていくのがだんだんと表に出てきていると感じます。

日本の社会保障は確かに優秀です。先人の方々が一生懸命考えてくださり、その結果が今の社会保障体制を確立したと思います。しかし、今後その先人たちすら介護が必要な状況になったとき、これまでの保障体制で賄っていけるのかどうかは…心配なところです。

弊社ではそのような在宅介護や看護、療養上の急な困りごとなど幅広く対応させていただき、自費訪問看護やオンライン介護相談をサービスの柱に、より多くの地域の方々にお役に立てるよう業務に励んでまいります。今後とも弊社をよろしくお願いいたします。
森下
2023.04.11
「ミニマル青果」
果物の宅配以前よりお伝えさせていただいていた野菜や総菜の宅配サービス「ミニマル青果」ですが…4月10日より正式に開始となりました!

このサービスは施設で働いているときから、患者様や入居者様の「ご家族の食」の負担ってどんなものなのだろう?と考えたことから始まっています。在宅医療や訪問看護の現場にいますと、日々の食材のお買い物やお食事の準備にお困りの声もいたるところから聞こえてくるからです。

そこで、介護をされている方の負担を少しでも軽減すべく、野菜やお惣菜の宅配サービスを始めました。「仕事が大変で食事の準備をする余裕がない」「自宅で親の介護をしていて食事を作るのが大変」「飲み込みの状況が悪くなってきて食事の準備に手間がかかる」など、介護や仕事で忙しい方に最適なサービスとなっております。

プライベート看護サービスと併せてご利用いただくと、より充実した在宅療養支援として提供することもできます。電話(080-8119-6509)やメール(info@home-care-alliance.com)・FAX(050-3142-1213)、そして当社SNSであるFacebookTwitterでもお問い合わせ可能ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください!
森下
2023.04.05
「人の最期」
新年度早々やや重い話かもしれませんが、今回は「人生最後の日」についてのお話です。世間は穏やかな季節が続きますが、そんな中でも最期の日を迎える人は存在します。

看護師という仕事は保助看法にも明記されている通り、「傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」を軸としています。(※じょく婦とはおおむね妊婦さんのことです。)

そのため、疾患や加齢により徐々に衰え、最期を迎える方の対応をすることも珍しくありません。人は最後に心臓や呼吸が止まるまで様々な経過をたどり、全く同じ経過ではありません。血圧や脈拍、呼吸の状態など数値で見られるもののほかに、「眼の光がなくなる」「体臭が変わる」「なんか違う」といった3つの変化も見られます。

  • 眼の光がなくなる
    これは眼球の表面にゼリー状の様な膜?が張っていくことです。結膜浮腫とも似たような状況ですが、表面がボコボコした状態になります。
  • 体臭が変わる
    よく「さびた鉄やニンニクのようなにおい」と形容されます。私個人としては、普段に比べ鼻にツーンと来る匂いという印象でした。また、これにも個人差があり、普段に比べほのかに甘い体臭になる方もみえました。
  • なんか違う
    これは何もふざけている訳でなく、いつもと何か違ってきます。それは会話の受け答えのわずかな違和感だったり、先ほどの目や体臭のことだったり、本人の纏っている雰囲気なのかもしれません。

    それまでのキャラクターが怒りっぽい方だと急に穏やかになったりもします。バイタルサインのほかに普段からその人を注意深く観察することで違和感に気づくことも多いです。
以上はやや私個人の主観も入っておりますが、事実存在したことです。このようなことに遭遇すると、やはり人間にはよくわからない部分が存在することを実感させられます。

長くなりましたが、在宅療養分野で上記の内容は「看取り」と表現されます。当社の自費訪問看護でもそのようなご依頼をいただくことはあり、これまでも対応させていただきました。

また、ご家族からは「私たちは何をしたらいいですか?」と聞かれることがあります。私はそのような状況では、「できるだけ近くにいていつものように接してください」とご説明させていただきます。

看取り私は看取りの状況下でご家族ができることは、ただ近くにいてあげることと考えています。ある意味最期の時に家族や親しい人が近くにいてくれるというのはとてもありがたく、幸せなことかもしれません。その人の生きてきた結果のようにも感じます。

宮沢賢治ではないですが、最期の時には家族がそばにいてくれる贅沢を味わえる…そういう人にわたしはなりたいですね。
森下
2023.04.03
「新年度」
あっという間に桜も咲き、所によっては早くも散り始めている場所もあるかと思います。私たちの住む愛知県では多くの場所で見ごろとなっており、お花見に行きたい衝動を抑えながら日々仕事に邁進しています。

ところで…この季節は桜がとても綺麗で気候も穏やかな行楽日和の日が続きますが、花粉に悩まされる季節でもあります。普段何気なく暮らしていても、人間は必ず呼吸をしなければ生きていけません。その呼吸と一緒に花粉を吸いこみ花粉症となってしまうわけですが、それは在宅療養の分野でも例外ではありません。体調が良かろうが悪かろうが花粉は牙をむいてきます。

在宅分野に行くまであまり意識していませんでしたが、医療には「気管切開→人工呼吸器導入」という生命維持の過程が存在します。首の甲状軟骨下気管軟骨を切開し、そこにカニューレと呼ばれる管を入れて、呼吸を安定させようという救急処置です。そして…自発呼吸がある方は良いですが、そうでない方は人工呼吸器が装着される場合があります。

このような方にも容赦なく花粉は襲ってきます。主に、流涎(よだれ)・喀痰(いわゆるタンです)・涙の増加や、皮膚トラブルとして症状が出てきます。頻回な吸引や皮膚トラブルの対処の開始が必要となってきます。

花粉なんとも忌々しい花粉ですが、それでも花粉がないと植物は受粉できず植物が絶えてしまうため、十分必要なものでもあります。早く花粉症の特効薬が開発されることを切に願うばかりです。

表題からかなり脱線しましたが、以上、花粉症に悩む一患者からでした。
森下
2023.03.28
「訪問看護立ち上げ」
訪問看護の需要は年々増加しており、一般社団法人全国訪問看護事業協会の調査では2021年度に13,003件もの訪問看護ステーションが稼働しています。届け出数としてはもう少し多く13,459件あり、456件の休止状態のステーションが存在します。

そのような状況の訪問看護ステーションですが必要性は依然高く、比較的安価で入所できる特養(特別養護老人ホーム)に限って言えば29万人もの空き待ちの方がいる状況です。そのような方にも看護・介護が必要な場合は、訪問看護ステーションから訪問看護を提供することもあります。

さて、1万件以上も訪問看護ステーションがある日本ですが、やはりすべての事業所がうまくいっているわけではありません。中には立ちいかなくなって廃業する事業所も存在します。

先述の協会の調査で、2020年から2021年にかけての新規開業数は1,633件。それに対して廃業数は541件、休止数は240件となっています。これには人員の問題や経済的な問題等様々な理由がありますが、その事業所を頼りにしている利用者様がいるのは確かです。廃業や休止は、その利用者様にも不安や心配などのストレスを与えることになってしまいます。

私たちホームケアアライアンスはそのようなことにならないよう、複数名のスタッフで訪問看護ステーションの立ち上げから運営・管理まで幅広く対応させていただきます。

私自身の失敗もあるため、ご依頼者様には「安心して訪問看護ステーションの運営に打ち込めるように」、またせめて私たちの支援させていただく事業所様が「休業や廃業にならないように」…そのような思いで、全力でサポートさせていただいています。

訪問介護事業こちらの写真は、この前訪問させていただいた事業所様での1枚です。

こちらのご依頼者様もこれまでは全く違った分野で事業をされていて、今回訪問看護事業に参入するということで立ち上げからお手伝いさせていただいています。今後がとても楽しみです。
森下
2023.03.27
「合格発表」
3月24日に看護師国家試験の合格発表がありました。自分の時のことを思うと10年以上前になり、確か初めて合格発表がネット上で確認できるようになった年だったと記憶しています。受験から合格発表までの約一ヶ月、気が気でなかったため「ようやく解放される」という気持ちがとても強かったです

合格された皆様はこれから入職までの間にいろんな準備をしたり、配属される科がわかっている方はその勉強などやることがたくさん出てくるかと思います。しかし、もし私から伝えることがあるとすれば…勉強ももちろん大切ですが体調管理をしっかりとし、睡眠をとることをお勧めします。

国家資格の勉強初めての入職では、患者さんの看護業務の他にその病院・施設のシステムを理解することも重要になってくるため、事前勉強ではどうにもならないこともあります。そんな中、体調が悪いと覚えることすら大変になってくるので、しっかり休んで体調管理に努めることが大事となってきます。

入職を控えた方々は期待と不安とが入り混じって、ウキウキしたり落ち込んだりするかと思います。「まずは毎日職場に通えばオッケー」というくらいのメンタルで行くのが良いのかもしれません。皆さまの健闘をお祈りしております。
森下
2023.03.23
「新しいこと 4」
新しいサービスのため市場に出向く機会が増えました。今まで職場といえば病院や施設、在宅訪問などの医療職でしたが、心機一転、転職した気分です。

果物果物現在商品説明用に写真を撮っていますが、大量にあるため開始までに整うかどうか…というところです。

写真を撮るのもなかなか楽しいですね♪

野菜 野菜 野菜
「ミニマル青果」には美味しいものが取り揃っていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
森下
2023.03.22
「介護施設におけるナースコール」
ネットで記事を読んでいて気になったものがありました。長野の特別養護老人ホームでの出来事です。

ネグレクト(介護放棄)と判断 夜間、電池抜いたナースコールに 特養老人ホームの女性職員4人処分(長野放送)

これは決して許されることはありませんが、おそらく施設勤務経験者なら「もしかしたらああいう状況だったのかな?」と、そこにいなくても当時の状況を容易に想像することができます。今回は主観にはなりますが、そこを僭越ながらお伝えできればと思います。長いですがお付き合いください。

特養(特別養護老人ホーム)は、介護が必要になった高齢者が比較的安価で入居できる施設です。(介護保険の公的扶助があるためです。)

病気になり今まで通りの生活を送れなくなった高齢者が病院での治療が必要なくなり「さぁ家に帰ろうか」と思ったとき、病気によっては家に帰って今まで通りの生活が送れない場合がまあまああります。主に脳梗塞や脳出血、整形疾患により「ご飯を自分で食べる」「トイレに自分で行く」「お風呂に自分で入る」など自分自身のことを自分でできなくなってしまったときがそれです。

ご家族と同居しており、今後もその家族からの十分な介護が受けられる状況であれば家に帰ることができるでしょう。しかし、家族にも仕事やその他にもプライベートでやることなどがあります。「いいよ、いいよ、私が看るから」と、簡単には言えない状況である方がほとんどではないかと思います。

そんな中で特養は比較的料金も安く、原則最期まで見てもらえる施設のため「じゃあ本当は看てあげたいのはやまやまなんだけど施設にお願いして…」となるわけです。ただし、そのような状況になる家庭はそれなりにいるため、入居に関しては「空き待ち」になることが多いです。厚労省によれば29万人もの方が施設の空き待ちをしているとのことです。

いざ入ることができれば家族としては一安心…しかし、その先に悩むのは入居されるご家族の状況や、洗濯物のことになるかと思います。心配事はこれだけとも限りませんが、定期的に施設から状況を聞くことはできますし、いろいろ希望することもできます。

さて…これまでは家族側からのことを書きました。今度は特養職員側のことを書きます。施設では常時何十人ものご利用者さんがいらっしゃる状況になりますが、日々その方々の「生活の場」を支えるために一生懸命働かれる方ばかりです。主に看護師、介護福祉士、ヘルパー…これらの職種で構成されています。

「生活の場」というのは朝起きてから寝るまで。さらには、寝ている間も含まれます。

  • 7:00前後 … 入居されているすべての方を起こして、着替えの介助が必要な方の介助をします。
  • 8:00前後 … 朝食を提供し、必要時には食事摂取の介助をします。自身で食べられる方ばかりではないので、職員の方々が介助する必要や食事自体にも一口大食やトロミ食、ムース食など様々な形態を用意する必要があります。
  • 10:00 … お風呂や体拭きなど清潔援助と呼ばれることをしたり、レクリエーションの時間になります。
  • 12:00前後 … 昼食の時間です。自身で食べられる方ばかりではないので、職員の方々が介助する必要や食事自体にも一口大食やトロミ食、ムース食など様々な形態を用意する必要があります。
  • 15:00頃 … 食後の時間から、また午前中にできなかった清潔援助やレクリエーションの時間となります。
  • 18:00前後 … 夕食の時間になります。昼食時同様自身で食べられる方ばかりではないので、職員の方々が介助する必要や食事自体にも一口大食やトロミ食、ムース食など様々な形態を用意する必要があります。
  • 20:00〜21:00頃 … 就寝時間になります。ただ「寝る時間ですよー」と声をかけるだけでなく、普段着から寝衣に着替える介助や寝る前の薬の介助、日中車いすに座って過ごされている方などは車いすからベッドに移動介助する必要があり、腰を痛めることもしばしばです。
…ざっとこのような形で毎日スケジューリングされているところが多いかと思います。さらに21:00以降の夜間もトイレに行きたい方への付き添いや大声で叫ぶ方、居室から出てきてほかの部屋に入ってしまう方、体調が悪い方への対応など仕事は尽きません。このような施設で働かれる職員の方に「夜勤は寝られるから楽でいいね」と言うのが禁句であるのはこのためです。

ナースコール以上、長々と書きましたがこのような激務の中で問題のナースコールがあると、その方のために時間を取る必要があります。もちろん普段であれば対応していたでしょう。

ただ、他の入居者のナースコールも重なり、一度に5〜7人のナースコールが鳴り響く中で「あると押してしまう」という方のナースコール電池を抜くという判断をネグレクトとするのも難しい判断だったと感じます。

いずれにせよこの記事から、介護現場はかなり追い詰められていて、職員の方々は事故が起きないようあらゆる手を講じながら現場を回そうと必死にやっている…と感じていただければ、今後の介護現場に少しでも良い風が吹くかなと思いました。
森下
2023.03.20
「新しいこと 3」
以前の日記でも案内させていただいた、「新しいこと」の経過報告です。Twitterの方ではすでに案内させていただいた、総菜や野菜の宅配サービスについてです。

サービス名は「ミニマル青果」に決定しました!これは提携させていただく名古屋市北部市場のマルセイ株式会社様から、一部名前を頂戴して考えさせていただきました。マルセイ様は食品関係を幅広く取り扱っており、主に取り扱っている野菜類から総菜、果物、さらには肉類も取り扱いが可能です。「べんりな市場」と思って利用していただけたらなと思います。

ミニマル青果現在までに1000種類弱のラインナップになっており、今後商品の説明をホームページ上にも載せていきます。そこから選んでいただいてもいいですし、「ちょっとこれほしいんだけど!?」や「こんな感じのものないの?」「この料理作りたいから必要な材料が欲しい」など、ご利用者様の要望に沿って提供できる予定です。また、サービス開始後も定期的に提供方法を変更しながら、よりご利用しやすいサービスを目指していきます。

既に当社のサービスとして自費訪問看護サービスがありますが、こちらと併せて注文いただくことも可能です。要介護者様への在宅介護では、今までの食生活の変化や食形態の変化…こういったことへ対応するだけでもとても大きなストレスとなります。

市場の野菜自費訪問サービスではそのような方へも柔軟に対応でき、今回のミニマル青果サービスと合わせて必要な食形態で必要なお時間にお届けすることが可能です。

食事は人間にとってとても大切なものです。しかしその準備には大変手間を取られてしまいます。そのような「大変」を減らすのも当社の役割と考えていますので、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。
森下
2023.03.13
「新しいこと 2」
先日の日記でご紹介した「新しいこと」ですが、だんだん調整がついてきてもう少しで皆様のところにお届けできそうな体制が整ってまいりました。今回のサービスのため市場に通うことが増えましたが、これまで立ち入ったこともない場所なので新しい発見の連続でした。

市場の野菜まず、日中の市場は意外と静かです。市場といえば何となく24時間365日ガヤガヤしている印象でしたので、これには驚きました。そして…当たり前かもしれませんが野菜はどれも新鮮で、なおかつ「でかい」です!スーパーなどで見かけるサイズの1.5倍ほどはあるかと思います。

種類も豊富で100種類以上をゆうに超えます。聞いたこともない野菜も多く、セープやパオなどもあり、ついでに野菜の勉強にもなりました。
市場の野菜シチュー試しにニンジン・ジャガイモ・玉ねぎでシチューを作ってみました!野菜も荷崩れすることなく、しっかり味が出ています。
お惣菜また、お総菜も豊富でした。今回は代表的な小松菜のお浸しをご紹介しますが、どれもおいしく我が家でもお世話になっています。

これらは今後ホームケアアライアンスでも取り扱っていき、プライベート看護サービスと一緒に頼んでいただくこともできるようにします。さらに当社のサービスを使わず、野菜や総菜のみの受付もできるようにしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
森下
2023.03.09
「3月9日」
卒業この時期は、朝からニュースなどで卒業式の内容が流れています。私は学生生活からすでに10年以上たっていますが、それでも何となくセンチメンタルな感情に包まれるのがこの頃の特徴でしょうか?

ちなみに…看護師の合格発表は3月末ごろになりますので、まだこの時期は発表前ということもあってとてもじらされます。

私の場合、国家試験の自己採点の結果があまり芳しくなかったために気が気でなかったことと、就職先の決定が看護師国家資格の合格発表前だったため「もし落ちたらどうしよう…」という2大心配事があり、何をしても手がつかなかったように記憶しています。(実際、就職先が決まったのに国家試験に落ちたということで内定を取り消しされる方もいます。なかなかに残酷です…。)

とはいえ試験は終わっていますし、あとは祈るのみです。受験生の皆様、ぼちぼち参りましょう。
森下
2023.03.07
「介護保険施設における人員不足」
いわゆる「施設」で介護を経験した方はどれくらいいるのでしょうか?厚生労働省の発表では、介護保険施設で従事している介護福祉士の職員は200万人以上もの人員がいます。

しかし、それ以上に要介護者の人数は増えており、すでに20万人以上の職員不足状態となっています。そんな中で先日、以下のような記事を見つけました。

食べ物を喉につまらせ81歳死亡、特養側に1370万円支払い命令…地裁「危険性予見できた」(読売新聞)

事例的に「人員不足が慢性的な事業所では起こりうる」と容易に想定でき、そのために施設職員さんも必死に業務に当たられていたと考えられます。それでも起きてしまうのが、今回のような誤嚥による窒息事故です。

ただ、裁判所が「容易に想定できる」とした内容で、想定できることでも「容易に対応できる」わけではありません。今後、施設側の負担が増えていく中で、施設への支援が現状のままでは同様のことは増えていくことが容易に想定できる…と感じざるを得ない記事でした。

このような事故がないことを祈るとともに、目に見えて不足している人員に対しての対応が急務となってきています。
森下
2023.02.28
「新しいこと」
以前、当社のTwitterでもあげた内容ですが…当社は自費の訪問看護サービスを提供させていただいています。

自費であるため公費で実施される訪問看護よりはどうしても高額になりますが、公費の訪問看護ではできない長時間の訪問看護や外出支援、それに伴った両介護者自身の希望の充足や在宅介護家族へのレスパイトケアの提供、作成された訪問看護計画書以上の内容の実施も可能となっています。

また、以前より頂戴していたご意見として…

「介護をするのも大変だけど、食事を作るのも大変」
「介護をしていると、自分の食事がおざなりになってしまう」
「作るのも面倒だし、まして栄養やカロリーを考えて作るのなんてムリ!」
といった食に関する内容も聞かれていました。

食の問題これも何とかできないものかと考えておりましたが、この度市場に入っている企業様とのご縁があり、この問題を解決できる可能性が出てきたことをご報告させていただきます!

現在どのように提供するとよいか試行錯誤しているところでございますので、もう少しだけお時間をいただけますようよろしくお願いいたします。

今後ともホームケアアライアンスをよろしくお願いいたします。
森下
2023.02.24
「無料低額宿泊所」
無料低額宿泊所みなさま、こんにちは。突然ですが、無料低額宿泊所というものをご存じでしょうか?

ほとんどの方がなじみのない施設かと思いますが、「無低(むてい)」とも略されるこの施設は「生活困窮者のために、無料又は低額で簡易住宅を貸し付け、又は宿泊所その他の施設を利用させる事業」と位置付けられており、原則3ヵ月最大6ヵ月を期限に、無料又は低額で生活困窮者の住居が確保される施設となっています。

すべてではありませんが、中には「囲い屋」と呼ばれる、いわゆる貧困ビジネスを行っているところも存在します。住居を斡旋してそれをもとに生活保護を申請させ、家賃などの名目で生活保護費の一部ないし全部を生活困窮者から搾取するという、悪徳なところが存在したりするのです。

もちろん、そんな不正なことをせず社会福祉事業としてきちんと行われているところがほとんどですが、そのような事業者も存在するのはとても残念なことです。

以上のお話は先日お会いしたNPO法人様から聞いた話ですが、これまでそのようなことを聞いたことのない私にとって衝撃的なこともでありました。また、このような施設の中でも体調がよくない方がいたり介護が必要な方がいたりと、私たちの自費訪問看護サービスだからこそ支援させていただけることが多いことを教えていただきました。

私たちにとってもまだまだ貢献できる場所があると認識するに至りました。今後もホームケアアライアンスをよろしくお願いいたします。
森下
2023.02.17
「普通」
この言葉を日々の生活で使われる方は多いと思います。それこそ私も「普通」によく使います。

さて、なぜ今回このような話題を出したかといいますと…世の中には数多くの普通があり、その内容は人によって様々ですし、その普通が使われる話の内容も多岐にわたります。そして、普段私たちの行っている在宅介護に対しても、数多くの「普通」が存在します。

例えば、医療者側としては「普通、1日3回歯磨きするよね。」「寝たきりの人は夜でも2〜3時間おきにオムツの中を見て、排泄がないか確認するのが普通だよね。」「誤嚥リスクがあるから食事はムース食しかダメだし、夜中でも吸引やらないといけないでしょ。普通だよ。」などが存在します。

しかし、それは医療者側からの普通であって、要介護者側からは「歯磨きは1回でも大丈夫。今までそれでやってきたもの。」「夜は寝ていたいから何度も起こさないでほしい。」「確かに誤嚥するかもしれないけど、食事は今までのものが食べたいし、吸引は苦しいから絶対にやらないでほしい。」など今までの普通を希望され、医療者側の普通は通用しない場合もあります。

病院とは異なり、在宅療養ではそのような要介護者側の「普通」も、より叶えることができます。さらに公費の訪問看護に比べて自費の訪問看護はより自由度が高く、要介護者の希望を最大限叶えることが可能です。

昨今、訪問看護もニーズの広がりを受け、様々な内容に答えられることが要求されてきています。ご利用者様ごとの「普通」に対応し、ご利用者様のニーズに応えられ、また安心も提供できるよう、今後もホームケアアライアンスは在宅支援に取り組んでまいります。
森下
2023.02.14
「続 在宅介護とお金」
前回の日記では、在宅介護にかかる費用として、「介護サービス費用」「日用品(オムツや食事)」「受診などのための移動費」の3つを挙げさせていただきましたが、今回はこの3つについて具体的に説明をしていきたいと思います。

まずは「介護サービス費用」についてです。これはご家族での介護が困難な場合、介護保険での補助を受けながら様々なサービスが受けられる仕組みになります。

介護保険の補助により自己負担は総額の1〜3割(これは本人の所得や同一世帯の65歳以上の人数、年金収入額によって変わります)のため比較的サービスを受けやすいのですが、介護度に割り当てられた以上の内容のサービスはできません。

そのため、「もっとこっちの時間にサービスを割り当てられたら…」や「もう少しデイサービスに行けられないのか?」など、「もっとこうできたら…」と思う方もよくいらっしゃいます。公的な補助付きで、なおかつ自己負担1〜3割でこれだけのサービスを受けられることはすごいことのなのですが、それでも足りない点が出てくるのです。

次に「日用品」についてですが、意外とお金がかかって驚かれる人が多いのがオムツ代です。介助されてトイレで排泄できる方はまだ良い方ですが、トイレに行けなくなるとオムツ代もかかってきます。トイレに行ける状態ですとリハビリパンツ(通称リハパン)を履いて1日1回交換すればよいですし、汚れたときに交換したら大丈夫と考える方が多いようです。

しかし、リハビリパンツは約1袋2,000〜2,500円かかります。しかも、1袋に15〜24枚と中途半端な枚数のため、1日1回交換すればひと月に2袋は最低購入する必要が出てくるわけです。さらに…いわゆる寝たきりとなると、1袋1,800〜3,000円のテープ式オムツと1袋1,000〜2,500円のオムツパットが必要になってきます。

寝たきり状態ですと自身で排泄をしたことに気づけなかったり、しっかりオムツをあてたつもりでも横から漏れていたりと、介護自体も大変になってきます。排泄状況によってもオムツやパットの使用量が変わりますので、よりお金がかかってくる場合もあります。

以前お会いした奥様を介護されているご主人さまが、「テレビのCMを見て自分にも在宅介護できそうだなと思っていたのに、排せつの問題でとても苦労した」「CMのような簡単な状況の介護ってそうそうないんだな」と話されていました。オムツ排泄の問題は、在宅介護において費用と手間の面からとても大変な問題です。

最後に「受診などのための移動費」です。これは車を所有されていないか、自家用車では移動できない状態の方に限った話になりますが、在宅介護を受けられる方が移動される際は「介護タクシー」を利用される場合があります。

介護タクシーは運転手がヘルパー2級以上の資格を所有しており、移動の手伝いや利用者の介助もできるタクシーです。そのため、通常のタクシーよりは高額となっており、重ねて利用することで高額になることもあります。

ただ、介護タクシーは介護保険の適用になるため、ケアプランに組み込むことで費用を抑えることもできます。ちなみに当社の範囲でもある名古屋市での介護タクシーの相場は、基本料金3,000〜5,000円に通常のタクシー料金のような距離・迎車などの追加料金になっているところが多いです。

以上が在宅介護でお金のかかることの一例です。また、今回は施設入所しているという状況にはあえて触れませんでした。そこに触れるとさらに金額が増すためです。

ちなみに…すべての場合に当てはまるわけではありませんが、施設入所の方で自費訪問看護を利用して全体の介護の状態を見直した結果、全体の費用が抑えられた例もあります。気になる方は一度お問い合わせください。
森下
2023.02.09
「在宅介護とお金」
今回はお金の話をしたいと思います。お金は多くの人にとって悩みの種であり、あればあるほど助かるものです。日本では「お金は悪」とまではいかないものの、持ちすぎたり稼ぎすぎたりすると何となく嫌な目で見てくる人が出てくるでしょう。絶対必要だけど、ネガティブな面もあるのがお金です。

そんなお金ですが多くの「もの」や「こと(サービス)」を買う、又は受けるにあたって必ず使います。コンビニでお茶を買うにも、宅配や服のクリーニングを受けるにも必要というわけです。これは、もちろん周知の事実だと思います。

介護サービスさて…在宅介護を行うにあたってもお金はかかります。ネットで調べると月に5〜8万円にかかるとされ、平均で7.8万円かかると出てきました。ただし、これはあくまで目安にすぎず、要介護者の介護度やそれによる自己負担額の割合によってもかわります。

個人的には、最低でも月に8万円以上とみておけば在宅介護においては何とかなると考えていますが、かかる費用の一例として以下のようなものがあります。

・介護サービス費用
・日用品(オムツや食事)
・受診などのための移動費
次回の日記では、これらの「かかる費用」について具体的に説明していきたいと思います。
森下
2023.02.03
「2月」
2023年に入り、早くも1月が終わって2月に入りました。相変わらず寒い日が続き、私も「うーさむい…」が口癖になっています。

さて…今月は国家試験の月になりますので、私も含め看護師のキャリアを持つ人にとっては思い入れのある月になるかと思います。私も当時必死になって受験勉強をしたのを思い出し、懐かしく感じました。

国家試験最後のひと月はひたすら今まで説いた問題を再確認し、体調管理に気を配っていたような…。正直「もし落ちたら…」と考えたり、ネガティブなことを考えないようただただ必死でした。

なにはともあれここまで来たら、後は体調管理と今まで通りの受験生活を送ることに心がけていればきっと大丈夫です。受験生の皆様のご武運をお祈り申し上げております。
森下
2023.01.31
「カリフォルニア」
早いもので、年越しからすでに1月が終わろうとしていますが、今月も1ヶ月の間に様々なことが起きました。私には海外で生活している妹がおりますが、彼女とも久しぶりに話す機会がありました。

介護をするにあたって、マンパワーというものはとても重要になります。まして親の介護となれば兄弟間での協力はとても重要ですし、お互いに支えながら介護をしている方々も大勢いらっしゃいます。家族間の協力があっても介護は大変です。そんな中、要介護の家族の方針に関する話が出ることもあります。

「口から食べ物が食べれなくなったから胃瘻をつくって栄養を入れる必要がある…」
「延命処置どうしよう…」
「そろそろ自宅で介護するのも限界になってきたから、施設に入ってもらう必要があるかも…」
など内容は様々です。

普段から連携を取り共同で介護をしている家族・兄弟・親戚間であれば、比較的すぐに答えは出るでしょう。しかし、普段介護に参加していない家族・兄弟・親戚が「そんなことをしてはかわいそうじゃないか!」「本人が思っていることももっと尊重しないと!」「そんなことしたら周りがどう思うか…!」というような発言をされる状況が、そこそこの頻度で起こります。しかも、話がまとまりかけているタイミングでこれを言われるともう悲惨です。収拾がつかなくなることもあり、家族関係にヒビが入ることもあります。

カリフォルニアから来た娘症候群この状況を「カリフォルニアから来た娘症候群」と言います。1991年にアメリカで報告された事例をもとにこう言われるようになりました。

アメリカ西海岸のようなさわやかさは微塵もなく、どろどろとした家族間の空気が流れるのです。このようなことがないよう、普段から家族の介護のことについて情報共有し、難しいこととは思いますが統一した意思決定をしていきたいものですね。

ちなみに…妹とは関係性に問題はなく、今度会う際にでも家族の今後のことについて話し合う予定です。
森下
2023.01.30
「第5類」
新型コロナウィルスが世界に広まって、約3年の月日が経ちました。その中で感染症法のコロナの位置づけが、第2類相当から第5類へ引き下げられることが政府によって決定されました。時期は5月8日からだそうです。

5類になることで私たちにとっては、

・今まで公費負担だった部分が自費負担になる(※ただし、当面は公費負担を継続、段階的に縮小予定)
・季節性インフルエンザと同じ扱いになり、隔離や自粛が求められなくなる
など、負担が増えることと減ることが出てきそうです。医療者側としては、さらなる感染の広がりが懸念されるところではあります…が、「そろそろ良いのではないか」という気もしないでもありません。

コロナウィルス対応コロナウィルス対応ただ、当社としては新型コロナウィルス対応も行っておりますので、医療従事者として粛々と対応に当たらせていただくしかありません。

写真は対応時に使用しているガウンやマスクですが、これらをゾーンごとやご利用者様ごとに交換してサポート対応に当たらせていただいています。

これは愚痴ですが…これ、なかなか脱ぎ着が大変なんです。
森下
2023.01.25
「新年」
子ども食堂子ども食堂12月21日に株式会社Map'sコーポレーション様の子ども食堂が開催されましたので、前回に引き続きホームケアアライアンスとして協賛をさせていただきました。

たくさんの子供たちが参加してくれて、とても賑やかな1日になりました。
子ども食堂 子ども食堂 子ども食堂
また家庭の事情により一人で参加された子供さんもおり、そのような状況の子に少しでも楽しみな場所、安心できる場所の提供が大切だと感じました。
森下
2023.01.19
「自費訪問看護サービス」
「プライベート看護サービス」とかっこよくネーミングしたつもりでしたが、こちらは自費の訪問看護となります。「施設とか在宅でやってる訪問看護と何が違うの?」という質問をよくいただくため、はっきりと申し上げます。施設や在宅でよく見るのは公費負担のある訪問看護で、当社のものは自費の(公費負担のない)訪問看護です。

施設で働いているときに、もっとしなくてはならないことがあるのに時間やルールの関係で退出しなければならないような場面や、癌末期の方の「ちょっとでいいから外の空気をすいたいな…」「昔行ったあそこのラーメン食べたいな…」などといった切実な訴えを実現したくて始めました。少しおせっかいかもしれませんし、1時間6,250円というのもなかなか高額になるかと思います。

プライベート看護サービスのプラン例ただしその分、公費負担の訪問看護にくらべて自由度がかなり高く、時間や場所の制限もなく「外出」「外食」「遠方の旅行」が可能です。また、在宅介護をされている方には、「休息」「息抜き」という意味合いで利用していただくことも可能です。

「介護をする」という行為はとても素晴らしいことだと思います。しかし、実際は頑張りすぎてしまったり、先も見えづらい状況でストレスがかかりうつ病になってしまったり、感情を要介護者にぶつけてしまったりする状況も散見されます。

また、生命保険文化センターによると、介護にかかる期間は平均5年1ヶ月という統計もあります。この長丁場の介護を少しでも心穏やかに過ごしていただくために、当社は今後もプライベート看護サービスでお手伝いさせていただきたいと思います。
森下
2023.01.17
「プライベート看護サービスの流れ」
プライベート看護サービスへのよくあるご質問の中で、「外出の時はどんな感じでやられるんですか?」というご質問をいただくことがあります。

プライベート看護サービスご自宅など施設内の際には、実施する内容が決まっていればその内容を大まかな時間のスケジュール表でお示しし、ご本人またはご家族の同意のもとで実施させていただきます。

また、行程終了後には、後日スケジュール表に沿って実際にどのようなことを実施したかを、紙面又はメールにてご報告しています。

外出される場合には、ご自宅など施設内での際のスケジュール表と共に、実際に向かわれる場所(お店や公共施設など)の地図を用いておおよそどのような順序で移動するのかをお示しした後に、ご本人ご家族の同意を得て実施させていただいています。

プライベート看護サービスこちらは以前、プライベート看護サービスを使って熱田神宮へ参拝された方に用いた地図となりますが、このようにわかりやすくご説明させていただき、ご家族様の心配をなるべくなくすような努力をしております。
森下
2023.01.11
「子ども食堂」
子ども食堂少し前のことになりますが…ご縁があり、株式会社Map'sコーポレーション様主催の子ども食堂が12/18に行われ、弊社も協賛という形でお手伝いをさせていただきました。

子ども食堂のような地域の事業のお手伝いをさせていただくのは初めてのため「どうなることか…」とドキドキしていましたが、当日はたくさんの方々が協力・協賛しながら子ども食堂という場を作り上げていました。
子ども食堂 子ども食堂 子ども食堂 子ども食堂
子ども食堂 子ども食堂たくさんの親子連れの方や子供たちが来場している様子を目の当たりにして、このような場の重要性や必要性を深く感じました。

業種は違いますが、私たちも地域の人々にも貢献できるよう努めてまいりたいと思います。
森下
2023.01.10
「年越し」
改めまして、皆さま明けましておめでとうございます。いかが年越しをお過ごしでしたでしょうか?私たちホームケアアライアンスは、年末年始も営業させていただきました。

主にプライベート看護サービスでの営業になりますが、やはり年越しとあって、看護・介護での介助なしで外出できない方のお寺参りや初詣のご依頼があり、それに同行させていただく内容が多かったです。

初詣 初詣私自身も近くの神社に初詣に行ってまいりました。

今後もより皆様の支えとなることができますよう精進して参りたいと思いますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
森下
2023.01.01
「2023年」
皆さま、明けましておめでとうございます。株式会社ホームケアアライアンスの森下です。日頃より弊社をご利用していただきまして、心より感謝申し上げます。

年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか?弊社は普段通り営業しておりましたので特に変わった様子はありませんが、ご依頼いただく内容に年越し・年明けを感じております。

一例をあげれば…医療・看護処置の必要な方の忘年会の出席のための同行や、年末年始の寺社仏閣への詣での付き添い等、保険外サービスであるプライベート看護サービスでなければ実施できないご依頼であると感じています。

今年度もご依頼者様の希望に沿えるよう邁進してまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
森下
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